2013年5月23日木曜日

コーク兄弟って何者?って、「The CAMPAIN」」を見ましょう。

 最近アメリカのリベラルメディア代表格のハフィントン・ポストが創刊して、結構話題のようですね。朝日新聞と連携を取っているそうで、朝日新聞の電子版と何が違うんだろうと思われる方も結構いると思いますが、あんまり変わらなそうですね。

 ニュースメディアというよりも、有識者のブログ記事や投稿がメインだそうで、そんなサイト他に沢山あるんですが、その中で面白い記事がありました。

 コーク兄弟は何者?ということで、コーク兄弟がアメリカのニュースメディアを買収しようとする背景を解説する記事です。

 しかし、日本人でコーク兄弟と聞いてピンとくる人なんであまりいないでしょう。という筆者も、アメリカのティーパーティー運動の活動資金をコーク兄弟が出しているという報道を見て初めて知った位ですから・・・

 中岡望さんの記事もあるんですが、 文章読んでコーク兄弟について詳しく知りたい人は、「The CAMPAIN」という映画を観ると良いと思います。

 この映画は選挙活動コメディで、アメリカの政治活動や過激な選挙活動を皮肉った映画なのですが、コーク兄弟をモチーフにしたモッチ兄弟という人物が出てきます。

 出演者は、ウィル・フェレルとザック・ガリフィアナキス。ノースカロライナ州の選挙で共和党下院議員として再選を目指すキャム・ブレイディ(ウィル・フェレル)と、無名であったが大富豪のモッチ兄弟を取り込んでブレイディに対抗しようとするマーク・ハギンス(ザック・・・)が引き起こすドタバタコメディですが、映画としては面白いかと聞かれればノーコメントですw。

 コーク兄弟は、保守派の中でも最右翼で、石油化学産業のオーナーです。莫大な資金力を持ち、共和党を支持し、オバマ政権にとっては天敵です。基本的に民主党のリベラル政策に反発し、国民皆保険創設に反対、金持ち増税は不当であり累進課税制度をやめるべきだという経済的保守的な思想を持っています。オバマ政権のリベラル政策は、コーク兄弟をはじめとした巨大資本や裕福な人々にとって不利なので、共和党立て直しのために立ち上がった保守主義の勇者であり、過激な政治活動にも躊躇いがありません。

 オバマ政権のスキャンダルになりそうで、現代版ウォーターゲート事件になりそうなIRSの保守団体狙い撃ち事件では、ブッシュ政権の選挙顧問であったカール・ローブが運営する政治団体と、コーク兄弟が運営する政治団体が標的になったので、オバマ政権にとって天敵である政治団体の資金的な流れを摘みたいという意図があった事は明白です。

 保守系政治団体の狙いは、国民皆保険に反対すること、金持ち増税の阻止、政府は市場に介入しない等、オバマ政権が推進しようとする政策の対極にあり、徹底的なオバマバッシングを行っています。

 日本版ハフィントン・ ポストでコーク兄弟について取り上げたのは、アメリカにおける保守とリベラルの対立を日本の読者に理解してほしいという意図があったと思われる。ハフィントン・ポストは、リベラル側のメディアで、コーク兄弟は批判の的なのです。

 映画でも、モッチ兄弟の意図が驚愕の形で明かされます。そんなの絶対ありえないだろって突っ込みたくなるほどのシナリオでした。選挙活動も、キャム・ブレイディ候補とマーク・ハギンス候補の中傷合戦で、お互い「キリスト大好きだ~ 」しか言ってないです。あとは、「奴は共産主義者だ」とか、「私はアメリカを信じる」とか、よくあるレッテル張りやスローガン合戦です。

 基本、いかに相手を罠にはめて陥れるかだけ。政治家なら、政策を議論しろって思うのですが、映画の中ではそんなシーンは出てきませんでした。CMとか、キャム・ブレイディがマーク・ハギンスの奥さんを抱こうとして盗撮。盗撮した動画を編集してCMに流してライバル候補を中傷しようとするシーンまであります。(全身ハダカで、重要な部分はモザイクが・・・w)

 これがアメリカの政治活動なんですね。特に面白かったのは、マーク・ハギンスが銃でキャム・ブレイディを銃で撃っちゃうシーン。これは、ディック・チェイニーが銃で友人を撃ってしまったことに対するパロディかと・・・。

 基本映画に出てくるギャグは、実際にアメリカの政治活動で起きた事件をパロディにしているので、すごく茶番です。過激に脚色するのも、実際に起きた事件だからこそ、リアリティを追及するよりわざと下らない演出にした方が製作側の都合が良かったんでしょう。

 映画としての完成度はちょっと・・・てところはありますが、コーク兄弟は映画のモチーフになる程アメリカでは重要な人物なのです。ハフィントン・ポストは、コーク兄弟を紹介するなら、「The CAMPAIN」を絡めて説明すればよかったのにと思いましたので、僕がやりました。

 町山さんの解説だけ聞けば、ハフィントン・ポストの記事よりコーク兄弟の事学べると思いますよ。 日本劇場未公開なのも頷けます・・・。改めて言うと、町山さんの解説で十分です。

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